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「華麗なる 陶人形展」開催中~12/15

瀬戸焼のロココ風西洋人形から、ノーマン・ロックウェルやルイ・イカールの絵画作品を立体化したもの、レース人形、人をかたどったウイスキーボトルまで…戦後の輸出品を中心に紹介する、愛らしい陶人形の世界


横山美術館では、2024年12月15日(日)まで、企画展「華麗なる 陶人形展」を開催しています。



【企画展案内】


チラシ両面PDFはこちら

 人形の愛らしさは、時空を超えた普遍的なものでしょう。表情や指先まで神経を使って制作された陶人形は、日本に限らず海外でも人々の心を豊かにしてきました。陶磁器は変質しにくく彩色も色褪せないため、人形たちには永遠の命が与えられます。特に、「ノベルティ」とも呼ばれる瀬戸焼の人形はロココ風の優雅な西洋人形を始めとし、人物をかたどったボトルのほか、アール・デコ調でフランスの香り漂うルイ・イカールの絵画や、アメリカの心を描いたノーマン・ロックウェルのイラストを立体化したものなど、数多くが海外へ輸出されました。
 本企画展では、戦後の輸出品を中心に、変わることのない陶人形の魅力をお楽しみいただきます。


【展示作品紹介】


丸山陶器《エンゲージ》昭和30年頃

チラシの表面に掲載しているこの作品は、女性が差し出した左手の指に、男性が金色の婚約指輪(エンゲージリング)をはめる瞬間をあらわしたもの。ピンクと水色の淡いパステル調の色彩が、幸せそうな雰囲気を演出しています。二人が被る帽子は18世紀後半を中心に流行したスタイルです。


丸山陶器《花を摘む男女》昭和32年頃

こちらは上の《エンゲージ》と同じ、瀬戸ノベルティ先駆者・山城柳平が設立した丸山陶器の作品です。瀬戸ノベルティの中でも丸山陶器が大型化に成功したビスクドールの代表作で、左の男性の人形はなんと高さ約56cm! 顔の表情から手の指先まで丹念に仕上げた秀作です。
正面だけでなく側面からもご覧いただけるケースに展示しているので、ぜひ隅々までご覧ください。


光和陶器《女神》昭和32年以降

白磁透明釉に着衣や花の金彩のみ加飾されています。白と金の色彩の対比や、動きのあるドレープ表現が美しい作品です。


テーケー名古屋人形製陶《アン王女》昭和63年以降

日本唯一のレースドールメーカー・テーケー名古屋人形製陶による、瀬戸のレース人形の最高傑作。布レースに泥状の粘土を染み込ませて焼くことで、やきもののレースが出来上がります。写真では分かりづらいですが、柔らかな膨らみを持つドレス部分もすべてやきものです。


丸山陶器《ノーマン・ロックウェルFourSeasonsシリーズ/初恋》昭和47年頃

「初恋」をテーマに四季の二人を表現しているこの作品は、アメリカで人気のイラストレーター、ノーマン・ロックウェル(1894-1978)のイラストを立体化したもの。平面のイラストをもとに描かれていない部分も造形する原型技術は、瀬戸ノベルティのなせる職人技でした。


山国製陶《ルイ・イカール/狩猟Ⅱ》昭和59年

上のノーマン・ロックウェルと同様に、20世紀前半のフランスで活躍したルイ・イカール(1888-1950)の版画を立体化した作品です。イカールの描いたファッショナブルでスマートな女性を、優美に表現しています。当館でルイ・イカールの陶人形は初出品です。


ゴトー他 ウイスキーボトル 戦後

アメリカの偉人が並ぶこちらは、すべてウイスキーボトルです。
1970年代、アメリカのウイスキーメーカーからの発注によって、瀬戸で多くのウイスキーボトルが製作されました。アメリカの偉人やムービースター、働く庶民など、様々な人物がモチーフになっています。
首元、帽子、腹部など、栓の位置も様々で、それを探しながら見るのも面白いかも?

他にも、初代諏訪蘇山や初代伊東陶山といった帝室技芸員(現代でいう人間国宝)をはじめとする、明治大正の名工による和の陶人形も展示しています。


展示点数は全部で200点以上
写真も自由に撮っていただけます。

美しく、時にユーモラス。
愛らしい陶人形の世界をぜひお楽しみください。

★横山美術館公式HPでは、紹介動画もご覧いただけます。


【開催概要】

■企画展名:「華麗なる 陶人形展」
■開 催 日 :2024年9月13日(金)~12月15日(日)
■開館時間:10:00~17:00(入館は16:30まで)
■休 館 日 :毎週月曜日(祝・休日の場合開館、翌平日休館)
■入 館 料 :一般1,000円(800円)、高・大学生・シニア65歳以上800円(600円)、中学生600円(400円)、小学生以下無料 *( )内は20名以上の団体料金、障がい者手帳をお持ちの方700円


【関連イベント】

■絵付体験講座「春を待つ、Kawaiiひな人形」
 やきものの立ち雛に、金銀も使って上絵付で彩色します。
 どなたにも楽しんでいただけます。
 日  時:2024年11月17日(日) 13:30~15:00
 申込方法:9月13日(金)よりお電話、またはメールにて先着順
 参 加 費:一般2,000円(材料・焼成費・入館料込み)
      パスポート会員1,000円(材料・焼成費込み)
 定  員:20名(要事前申込)
 ※残席僅かです。定員に達した場合はキャンセル待ちとなります。

■ギャラリートーク
 学芸員による展示(企画展・常設展)解説を行います。
 日  時:9月21日(土)、10月5日(土)、10月19日(土)、11月2日(土)、11月16日(土)、12月7日(土) 各日13:30~ 1時間程度
 場  所:横山美術館展示室
 ※事前申込不要、要入館料


【パンフレット】

■展覧会パンフレット:横山美術館にて販売中(税込200円)





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