見出し画像

100年以上前に作られたカップ&ソーサーを展示します

横山美術館では10月3日(日)より、企画展「優美な曲線から歴史が伝わる カップ&ソーサー物語」を開催いたします。


画像1

コーヒーや紅茶を飲む時間というのはほっとするひと時だと思います。それらを飲むための器が美しいと、より気持ちも高まることでしょう。


日本国内でのカップ&ソーサーの生産が本格的に始まったのは、明治時代前期からです。
その大きなきっかけとして、明治6年(1873)に開催されたウィーン万国博覧会が挙げられます。
この万国博覧会を皮切りに、日本の陶磁器が注目を浴び、やがて陶磁器輸出の全盛期を迎えます。日用食器ともいえるカップ&ソーサーも数多く輸出されていました。

🔼ウィーン万国博覧会についてはこちらから


明治時代初期の日本にとってハンドル付きのカップはなじみのないものでした。
現在でも日本茶はハンドルのない茶碗で飲むのが一般的なことからも、お分かりいただけるかと思います。

ハンドルが付いた器は焼成するとハンドルの重みで歪んでしまい、綺麗な真円にならず、陶工たちを悩ませました。
この問題を解決するために考えられたのが伏焼という方法です。字の通り、カップの飲み口を下にして伏せて焼きます。そうすると比較的安定し、歪まず焼くことができました。

伏焼図解

また、日本で本格的にカップ&ソーサーが作られはじめた頃は、カップとソーサーの厚みがバラバラということもありましたが、
ウィーン万国博覧会(明治6年/1873)以降、日本にもたらされた石膏による鋳込み成型などにより、厚みも綺麗に揃うようになりました。


画像3

このように試行錯誤して作られたカップ&ソーサーには、上記のような美しい絵付がされました。
日本画のような繊細な花鳥や、まるで油彩画のように重厚感のある洋風の薔薇、さらには、緻密な人物画を描いたものや、点盛や金彩を施した豪華なものも作られました。

画像4

出来上がったカップ&ソーサーは海を渡り、テーブルを華やかに演出しました。

画像5

この展覧会では、100年以上も前に日本で工夫を凝らして作られ、輸出された、カップ&ソーサーやティーセットを展示いたします。
とても100年以上も前に作られたとは思えない、洗練されているデザインといえます。
ぜひ皆様のお気に入りのカップ&ソーサーを探してみてください。


写真撮影もOK、お撮りいただいた写真をSNS(もちろんnoteも)にアップしていただけますと嬉しいです!


展覧会詳細はこちら🔽

画像6

入館料は以下の通りです。
◎一般:1,000円(800円)
◎高・大学生・シニア65歳以上:800円(600円)
◎中学生:600円(400円)
◎小学生以下:無料
◎障がい者手帳をお持ちの方:700円(500円)
※( )内は20名様以上の団体料金の場合


また、チケットぴあ、CNプレイガイド、名古屋市文化振興事業団チケット販売システム、美術館受付では、お得な前売券を販売しております。(美術館受付は10/2まで)

皆様のご来館をお待ちしております。

いいなと思ったら応援しよう!

横山美術館
これからの美術館運営のため、ぜひサポートいただけますと幸いです。

この記事が参加している募集